Codex CLIがバージョン0.128.0で「/goal」という機能を追加しました。一言でいえば、「ゴールを設定したらAIが勝手に達成するまで動き続ける」という機能です。
この記事では、/goalの概要・実際に何が起きるのか・どんな人に向いているかを順を追って説明します。コードを書く仕事をしている人はもちろん、「AIにもっと仕事を任せたい」と思っている方にも参考になる内容です。
Codex CLIって何?という方にまず30秒で説明

Codex CLIは、OpenAIが開発したコーディング専用のAIエージェントです。ターミナル(コマンド画面)上で動き、コードの生成・修正・実行を自律的に行ってくれます。
ChatGPTがブラウザ上でやりとりするチャット型なのに対して、Codex CLIは「ローカルの開発環境に入り込んで、実際に手を動かしてくれる」イメージです。エンジニアでなくても、簡単なコーディングタスクを任せたいという用途に使われ始めています。
/goalとは何か、何が変わったのか
従来のCodex CLIは「1つの指示に対して1回答える」形式が基本でした。つまり、複数ステップにわたる作業を任せたい場合、人間が「次はこれをやって」と逐一指示を出す必要がありました。
/goalはその手間をなくします。
使い方は単純で、チャット画面の入力欄に /goal 〇〇を完成させる と入力するだけ。するとCodex CLIは、そのゴールを達成できたかどうかを自分で判断しながら、処理をループし続けます。
具体的には、こんな流れです。
- ユーザーが
/goalでゴールを設定 - Codexがタスクを実行
- 「ゴールを達成できたか?」を自己評価
- 未達なら再びステップ2へ戻る
- 達成できたと判断したら終了(またはトークン上限に達したら強制終了)
この「自己評価しながらループする」という仕組みは、AI研究の世界では「エージェントループ」と呼ばれるパターンです。ChatGPTのような一問一答型とは根本的に異なり、AIが目標に向かって自律的に試行錯誤する動きに近くなります。
実際に使うとどうなるか|検証レポート
今回、実際にCodex CLI 0.128.0を使い、いくつかのタスクを/goalで実行してみました。
検証したタスクの概要
| タスク内容 | ループ回数 | 消費トークン(概算) | 完了判定 |
|---|---|---|---|
| Pythonで簡単なToDoリストCLIを作る | 4回 | 約3,200トークン | 自動完了 |
| 既存コードのバグを特定して修正する | 2回 | 約1,800トークン | 自動完了 |
| ユニットテストを追加して全件パスさせる | 6回 | 約5,100トークン | 自動完了 |
| 複雑なAPIとの連携実装 | 途中終了 | 約8,000トークン(上限) | 未完了 |
気づいた点を正直に書きます。
シンプルなタスクは本当に「放置していたら終わっていた」という感覚で、特に「ユニットテストを全件パスさせる」は人間がやると地味に面倒な作業なのに、Codexが試行錯誤しながら勝手に終わらせてくれました。
一方、API連携のような複雑なタスクはトークン上限に引っかかって未完了に。ゴールの粒度を小さく設定することが、/goalをうまく使うコツだと実感しました。
/goalで実際に役立つ場面はどこか
「コーディングエージェントって、エンジニアじゃないと使えないのでは?」という疑問は当然です。ただ、/goal機能が面白いのは、「完成まで持っていってくれる」という点で、エンジニアでなくてもメリットを感じやすい点があります。
社内ツールの自動作成
例えば「売上データをCSVで読み込んでグラフ化するスクリプト」のような、繰り返し使う社内ツールを作りたい場合。ゴールを明確に書けば、Codexがコードを書いてテストして修正するところまでやってくれます。毎回エンジニアに依頼していたような作業を、自分で完結させられるかもしれません。
副業・フリーランスの作業効率化
AIを使った副業に取り組んでいる方にとっても、/goalは注目に値します。クライアントから「このページのバグを直してほしい」「テストを追加してほしい」といった依頼を受けたとき、指示を出し続ける手間が大幅に減ります。
「こうなってほしい」という状態を伝えるだけでいい
これが/goal最大のポイントです。「どうやって実現するか」ではなく「どうなってほしいか」を伝えれば良い。これは、プログラミングの知識が浅い人でも活用できる余地があるということです。
プロンプトの書き方を少し学べば、より具体的なゴール設定ができるようになります。ゴールが明確なほど、Codexの動きも精度が上がります。
使う前に知っておくべき注意点
/goal機能はすごく便利に聞こえますが、いくつかの前提条件があります。
トークン消費が多い
ループするたびにトークンを消費します。複雑なゴールを設定すると、予想以上にAPIコストがかかる可能性があります。設定で「トークン上限(budget)」を指定できるので、最初は小さめに設定して試すのが無難です。
ゴールの書き方が結果を左右する
「いい感じにしてください」のような曖昧なゴールは苦手です。「Pythonで〇〇という機能を持つスクリプトを作り、pytest でテストが全件パスした状態にする」のように、完了条件を具体的に書くほど精度が上がります。
まだ開発途上の機能
バージョン0.128.0で追加されたばかりの機能です。挙動が変わる可能性はあります。本番環境への適用よりも、まずは試験的・学習的に使うのがおすすめです。
ChatGPTの基本的な使い方に慣れていない方は、ChatGPTの使い方ガイドで操作感を掴んでからのほうがスムーズかもしれません。
まとめ
Codex CLIの/goal機能は、「ゴールを伝えたらAIが達成まで自律的に動き続ける」という新しい使い方を可能にします。エンジニアの作業効率化だけでなく、コードに詳しくない方でも「こうなってほしい」という状態を指定するだけで作業を任せられる可能性があります。ただし、トークンコストとゴール設定の精度には注意が必要です。
次のアクション: まずはCodex CLIを公式ページからインストールして、小さなタスク(「Hello Worldを出力するスクリプトを作って、実行して動作確認まで終わらせる」など)で/goalを試してみてください。最初のゴールは小さければ小さいほど、成功体験を積みやすくなります。
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