Claude Codeで45個のタスクを自動化した東大院生の設計思想を会社員が読み解く

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先日、Xのタイムラインで一気に広まった投稿があります。東大の大学院生が「Claude Codeを使って日常のタスクを45個自動化した」という記事を全公開したもので、AI活用に関心を持つ会社員の間でも話題になっています。この記事では、その事例の中身を整理しながら、エンジニアではない30〜40代の会社員が「自分の仕事にどう応用できるか」という視点で考えてみます。

目次

そもそも「45個の自動化」とは何をしているのか

記事内図解

この院生が構築したのは、cronジョブ(決まった時間や条件でプログラムを自動実行する仕組み)を45個組み合わせたシステムです。「cronジョブ」という言葉は馴染みがないかもしれませんが、要するに「毎朝9時にメールを整理する」「1時間ごとに新着論文をチェックする」といった処理を、人間が何もしなくても自動で動かす仕掛けのことです。これをClaude Code(AnthropicのAIをコマンドライン上で動かすツール)に組み合わせることで、AIが判断を伴う作業まで自動でこなせるようにしています。

自動化の内容は大きく3つの領域に分かれています。メール処理や日程調整といった「コミュニケーション系」、論文の新着監視やMLコードの開発支援といった「研究・学習系」、そしてシステムが自分自身の状態を監視してエラーを検知する「自己監視系」です。45個という数字に驚くかもしれませんが、個々のタスクはシンプルなものが多く、それらを積み重ねることで「ほぼ何もしなくても回る日常」を作り上げています。

設計の核心にある「AIに判断を任せる」という考え方

この事例で特に注目したいのは、単純な繰り返し作業だけでなく、「判断」を含む作業まで自動化している点です。たとえばメール処理では、受信したメールを読んで優先度を分類し、返信が必要なものだけを抽出するといったことをClaude Codeが行っています。従来の自動化ツール(メールフィルターなど)は「差出人がAならフォルダBに移動」という単純なルールしか扱えませんでしたが、AIを組み込むことで「この件名と本文の内容から判断して、今日中に返信が必要かどうか」という曖昧な判断も処理できるようになっています。

この設計思想を支えているのが、「プロンプトをコードとして管理する」という原則です。どのような指示をAIに与えるかを、バージョン管理しながら継続的に改善していく。この考え方は、実はエンジニアでなくても応用できます。プロンプトの書き方ガイドで整理しているように、AIへの指示を「使い捨て」にせず「資産」として積み上げる発想は、会社員の日常業務でも有効です。

会社員の業務に置き換えると何が見えるか

ここで少し立ち止まって、この自動化の構造を自分の仕事に当てはめてみます。

以下は、院生の45タスクと会社員の業務を対応させた簡易マッピングです。

院生の自動化タスク 会社員の業務での対応例
メール処理・優先度分類 社内メール・問い合わせの仕分け
論文新着監視 業界ニュース・競合情報の収集
日程調整 会議設定・リマインダー管理
MLコード開発支援 定型レポートの自動生成
システム自己監視 業務KPIの異常値アラート

たとえば、40代のマーケティングマネージャーが毎週作っている競合レポートを考えてみてください。各競合のサイトをチェックして、新しいキャンペーンや価格変更を拾い上げ、Excelにまとめて上司に送る。この作業のうち「情報収集」と「まとめの下書き作成」はClaude Codeで自動化できる可能性があります。毎週2〜3時間かかっているなら、月に10時間以上の削減になります。

同じように、経理部門で毎月末に発生する「各部署からの経費申請の確認・不備チェック」も候補になります。申請内容をAIに読ませて「金額の桁が異常」「領収書の日付と申請日が乖離している」といった不備を自動検知させる。人間が全件確認する必要はなく、AIが「要確認」とフラグを立てたものだけを人間が見ればいい。院生が「システム自己監視」でやっていることと、構造としては同じです。

「45個」は目標ではなく結果だった

この事例を読んで「45個も自動化しないといけないのか」と感じた人もいるかもしれませんが、実際には逆です。院生が書いている設計原則の一つは「小さく始めて、動くものを積み上げる」というものです。最初から45個を設計したわけではなく、1個うまくいったから2個目を作り、それが動いたから3個目に挑戦した、という積み上げの結果が45個になっています。

会社員がClaude Codeを使う場合、まずコードを書く環境を整えること自体がハードルになります。この点は正直に言うと、ある程度の技術的な準備が必要です。ただし、Claude Codeそのものの使い方はChatGPTの使い方ガイドで紹介しているChatGPTの操作感に近い部分もあり、「AIに自然言語で指示を出す」という基本は同じです。コードを書けなくても、「こういうことをやりたい」という要件をAIに伝えてコードを生成してもらい、それを動かすという方法で入り口に立てます。

「自動化できるか」の判断基準

院生の事例を読んで気づいたのは、自動化に向いているタスクには共通した特徴があることです。「毎回同じ手順を踏む」「判断の基準が言葉で説明できる」「結果の確認は人間がやればいい」の3つが揃っているタスクは、自動化の候補として考えやすいです。逆に、「その場の空気で判断が変わる」「相手の感情を読む必要がある」タスクは、今のAIには向いていません。

月次の売上集計と分析コメントの下書きは前者に近く、クライアントとの関係性を踏まえた提案内容の調整は後者に近い。この区別を自分の業務に当てはめて考えることが、自動化の第一歩になります。

まとめ

東大院生の45タスク自動化は、エンジニアの特殊事例ではなく、「AIに判断を含む繰り返し作業を任せる」という考え方の実践例として読むべきです。重要なのは45という数字ではなく、「何を自動化の対象にするか」を選ぶ視点と、「小さく動かして積み上げる」という進め方です。自分の業務の中で「毎回同じことをしているな」と感じる作業が一つでもあれば、そこが出発点になります。あなたの仕事の中で、「判断の基準を言葉にできる繰り返し作業」はどこにあるでしょうか。

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