GoogleがGeminiの人気機能「Gems」を2025年10月20日に廃止すると告知しました。後継として「Skills」という新しい仕組みへの移行が求められており、現在Gemsを業務に組み込んでいるユーザーは対応が必要です。この記事では、GemsとSkillsの違い、移行で何が変わるのか、そして会社員として今どう動けばいいかを整理します。
Gemsとは何だったのか

Gemsは、Geminiに「役割」を持たせるカスタム設定機能です。たとえば「メール文章の校正専門アシスタント」「社内報告書のフォーマットに沿って要約してくれるアシスタント」のように、自分の業務に合わせた専用のAIを作れる仕組みでした。一度設定しておけば毎回同じプロンプトを入力する手間が省けるため、Geminiを日常的に使っている会社員にとっては地味に便利な機能として定着していました。
特に、週次レポートの作成を担当している総務や営業企画のポジションでは、「いつもの書き方で要約して」という指示をGemsに事前に組み込んでおくことで、作業時間を短縮していたケースも少なくありません。それが10月20日以降は使えなくなります。
「Skills」は何が違うのか
Googleが用意した後継機能「Skills」は、現時点ではGeminiの有料プラン「Spark」の一部ユーザーに限定的に提供されています。ただし、Gemsの廃止期限である10月20日までには、より広いユーザー層に展開される予定とされています。
GemsとSkillsの最大の違いは、機能の「粒度」にあります。Gemsがアシスタント全体の役割設定(いわばキャラクター設定)だったのに対し、Skillsはより小さな単位で特定のタスクを定義する設計に変わっています。Gemsが「専任担当者を作る」感覚だとすると、Skillsは「特定の作業手順を登録する」感覚に近いと言えます。
ただし、Skillsは現時点で機能の詳細が完全に公開されているわけではなく、実際の使い勝手はロールアウトが進んでから判断することになります。Gemsで設定した内容をそのままSkillsに移行できるかどうかについても、Googleは「Gem contentを保存するか、Skillsとして再作成してください」と案内しており、自動変換ではなく手動での再設定が必要になる可能性が高い状況です。
Gemsを使っていた場合の対応
現在Gemsを業務に使っている場合、10月20日までに取るべき行動は大きく2つです。
1つ目は、Gemsに設定していたプロンプトや指示内容を手元に保存しておくことです。廃止後はGems自体にアクセスできなくなるため、設定内容を記録していないと再作成時に一から考え直す必要が出てきます。テキストファイルやNotionなどのメモツールに転記しておくだけで十分です。
2つ目は、Skillsが自分のアカウントで使えるようになったタイミングで、保存した内容を元に再設定することです。Skillsの展開は段階的に進む見込みのため、10月20日時点で全員がすぐ使えるとは限りません。その場合、一時的にGemsなしでGeminiを使う期間が発生する可能性もあります。
プロンプトの書き方を体系的に整理しておくと、Skillsへの再設定がスムーズになります。プロンプトの書き方ガイドでは、目的別の指示文の組み立て方を説明しているので、再設定の際に参考にできます。
GemsとSkillsの機能比較
現時点で公開されている情報をもとに、両機能の違いを整理すると以下のようになります。
| 項目 | Gems | Skills |
|---|---|---|
| 設定の単位 | アシスタント全体の役割 | 特定タスクの手順 |
| 提供状況 | 廃止予定(10/20) | 段階的ロールアウト中 |
| 移行方法 | 手動で再設定が必要 | Gemsの内容を元に再作成 |
| 対応プラン | 複数プランで提供 | 現時点はSparkが先行 |
| カスタマイズ性 | 比較的自由 | 詳細は展開後に判明 |
この比較で注目したいのは「設定の単位」の違いです。Gemsはアシスタント全体をカスタマイズする方式だったため、複数の作業をまとめて1つのGemに詰め込んでいたユーザーも多かったはずです。Skillsではそれを分割して登録する必要が出てくる可能性があり、移行の手間はGemの作り込み具合によって変わってきます。
この変更をどう受け止めるか
GoogleがGeminiの機能を整理・統合しようとしている流れは、今回のGemsだけに限りません。Geminiのインターフェース自体も過去1年で何度か変更されており、Googleが「AIアシスタントの使い方」の設計を試行錯誤している段階にあることが透けて見えます。
会社員の立場で見ると、特定のAIツールの機能に深く依存した業務フローを組んでいると、今回のような廃止・変更の影響を受けやすくなります。Gemsを使っていた人が感じる「また設定し直しか」という感覚は、AIツールを業務に取り入れるうえでの現実的なコストです。
一方で、こういった変更に対応できる人は、AIツールの使い方そのものを理解している人です。プロンプトの内容を自分で管理し、ツールが変わっても再設定できる状態を保つことが、AIを業務に活かし続けるための実質的なスキルになっています。ChatGPTの使い方ガイドでも触れているように、ツールに依存するのではなく「何をどう指示するか」を自分の中に持っておくことが、ツールの変化に左右されない使い方につながります。
まとめ
GeminiのGemsは10月20日に廃止され、後継のSkillsへの移行が求められます。自動変換はなく、手動での再設定が必要になる見込みです。今すぐできることは、現在のGems設定内容を手元に保存しておくことだけです。Skillsの詳細はロールアウトが進んでから確認することになりますが、設定内容を記録しておけば対応の手間は最小限に抑えられます。
より大きな視点で言えば、今回の変更はAIツールの機能が今後も変わり続けるという事実を改めて示しています。特定の機能設定に頼るより、「どう指示を組み立てるか」という自分自身のやり方を持っておくことが、長く使える武器になるはずです。

