社内説明の場が決まったのに、資料を作る時間が取れない。そういう場合は、ChatGPT(テキストで指示を出すと文章や構成案を返してくれるAIサービス)に構成と文章の叩き台を作らせると、準備の手間をかなり減らせます。
スライド1枚ずつ一から考える必要はありません。この記事では、骨格を生成するプロンプトの例と、押さえるべき要素の順序を具体的に示します。
説明資料に必ず入れる4つの要素
社内説明が失敗しやすいのは、ツールの話から始めてしまうケースです。現場の担当者が最初に知りたいのは「自分の仕事がどうなるか」であり、「AIとは何か」という解説ではありません。
スライドに盛り込む順序は次のとおりです。
- なぜ今、AI導入をするのか(目的と背景)
- どの業務を対象にするのか(範囲の明示)
- 不安や疑問への回答(仕事が奪われるか、情報漏洩は大丈夫か、など)
- 今後のスケジュールと担当者への依頼事項
この順で話すと、「なんとなく不安なまま聞いていた」が「自分には何が求められているのか分かった」に変わります。全体会議の場で使う資料なら、とくに3番目の不安への回答を厚めに作ることを勧めます。現場担当者が口に出しにくい疑問を、先回りして答えておく構成です。
ChatGPTで骨格を作るプロンプト例
以下のプロンプトをそのままChatGPTに貼り付けると、スライドの骨格テキストが返ってきます。カッコ内を自社の状況に書き換えて使ってください。
あなたは中小企業の社内プレゼン資料の作成を手伝うアシスタントです。
以下の条件で、社内AI導入説明スライドの構成と各スライドの要点を作成してください。
【会社の状況】
- 従業員数:〔例:40人〕
- 今回AI導入を検討している業務:〔例:見積書の作成・メール返信・議事録の文字起こし〕
- 説明会の対象:〔例:全社員/営業部門のみ〕
- 説明時間の目安:〔例:20分〕
【スライド構成に含める内容】
1. 導入の目的と背景(売上・コスト・人手不足など経営課題と絡めて)
2. 対象業務の範囲(何をAIに任せるか、何は引き続き人がやるか)
3. よくある不安への回答(仕事が奪われないか・情報漏洩のリスク・使い方が分からない場合の対応)
4. 今後のスケジュールと社員への依頼事項
5. 質疑応答のための補足スライド
各スライドに、タイトルと箇条書き3〜4点を出してください。
返ってきた構成をそのままコピーし、PowerPoint・Google スライド・Canvaのどれかに貼れば、骨格が10〜15分で出来上がります。文章の肉付けはその後で行います。
出来上がった骨格を使う際の注意
ChatGPTが出してくる文章は、事実ではなく「それらしい文章」です。スケジュールや具体的な数字(費用・工数)は必ず自社の情報に差し替えてください。特に「AIを使えば○○%削減できます」のような効果の数字は、根拠がなければ削除します。根拠なき数字は、後で現場担当者からの信頼を失う原因になります。
具体的なシナリオ:従業員35人の製造業の場合
従業員35人の製造業で、総務担当が1人で月末の請求書処理と議事録作成を担っているとします。経営者がAI導入を決め、来月の全体朝礼で10分説明することになりました。
このケースでプロンプトを使うと、次のようなスライド構成が返ってきます。
- スライド1:今なぜAI導入か(人手不足と業務量の増加)
- スライド2:対象業務2つ(請求書の読み取り補助・会議後の議事録草案作成)
- スライド3:「仕事がなくなる?」への回答(担当者が確認・修正する役割に変わるだけ)
- スライド4:「情報が外に漏れない?」への回答(使うツールの設定方針)
- スライド5:今月中に担当者が行うこと・来月からの試用期間の流れ
10分の説明なら5〜6枚が上限です。ChatGPTは枚数を多く返してくることがあるので、「10分・5枚以内」と条件を加えるか、返ってきた構成から削るかのどちらかで調整します。
なお、社員向けのAI研修をあわせて検討している場合は、生成AI研修の費用と助成金:中小企業が今年度使える制度と相場を整理に、中小企業が使える助成制度と費用の目安をまとめています。
資料を仕上げる流れ
- 上記のプロンプトにカッコ内を記入し、ChatGPTに送る
- 返ってきた構成をスライドツールに貼り付け、枚数を調整する
- 数字・スケジュール・担当者名など、自社固有の情報を書き込む
- 「不安への回答」スライドを、社員からよく出そうな質問ベースで見直す
- 必要なら、ChatGPTに「スライド3の文章をもっと短くしてください」と追加指示して整える
この流れで、資料作成にかける時間を1〜2時間の範囲に収めた担当者が複数います。ゼロから書こうとすると半日かかる作業を、骨格生成で短縮できるのがこの方法の実際のところです。
資料だけでは不安な場合
スライドの内容に自信が持てない、社員からの質問に答えられるか心配という場合は、AI導入支援の専門家や研修会社に壁打ちを依頼する方法もあります。「資料を全部作ってもらう」のではなく「作った資料を見てもらい、抜けているポイントを指摘してもらう」使い方であれば、費用も抑えられます。
当メディアでは、AI導入や社内研修に関する相談を受け付けています。資料の方向性が合っているか確認したい段階でも気軽にお問い合わせください。


