AIツール無料プランで社内利用、中小企業がぶつかる限界と有料化の目安

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無料プランでもAIツールは業務に使えます。ただし、入力した情報がAIの学習に使われる可能性があること、出力回数に上限があること、履歴の一元管理ができないことの3点は、使い始める前に把握しておく必要があります。

目次

無料プランで何ができるか

ChatGPT(OpenAIが提供するテキスト生成AI)やClaude(Anthropicが提供する同種のAI)は、いずれも無料プランで文章作成・要約・翻訳・アイデア出しといった基本的な作業に使えます。Microsoft Copilot(マイクロソフトが提供する検索と生成AIを組み合わせたツール)も、Microsoft 365契約がなくても無料で利用できます。

試しにやってみる段階、つまり「AIが自分の業務に合うかどうか確かめる」フェーズであれば、無料プランで十分です。まずコストをかけずに触ってみるという判断は正しいです。

無料プランが抱える3つの問題

入力内容がAIの学習に使われる場合がある

ChatGPTの無料プラン(無料版)では、デフォルト設定のままだと会話の内容がモデルの改善に使われる可能性があります。顧客名・取引金額・社内の人事情報といった業務データを入力する場合、この設定は必ず確認してください。

ChatGPTであれば「設定 → データコントロール → モデルのトレーニングに使用する」をオフにすることで学習への使用を止められます。ただし、設定変更をしていない状態で社内に広まると、誰かが意図せず機密情報を入力してしまうリスクがあります。

有料プランであるChatGPT Team(月額1ユーザーあたり25ドル前後、年払い時)では、入力データが学習に使われない設定がデフォルトになっています。人数規模が小さくても、顧客情報を扱う業務に使うなら早めに有料化を検討する理由のひとつです。

出力回数に上限がある

ChatGPTの無料プランでは、GPT-4oなどの高性能モデルへのアクセスに回数制限があります。一定数使うと処理速度の遅いモデルに切り替わるか、しばらく待つ必要が出ます。1日に数回試す程度なら問題ありませんが、毎日複数の担当者が使い始めると、上限に当たって「今日は使えない」という状況が起きます。

従業員30人の製造会社で、営業担当が見積書の文章作成にChatGPTを使い始めたケースを考えると、最初の1週間は快適でも、2〜3人が同じアカウントを共有したり、各自が無料アカウントを作ったりする段階で出力の質にばらつきが出てきます。業務フローに組み込む前に、この上限の存在を担当者に伝えておく必要があります。

履歴の管理ができない

無料プランは個人アカウント単位の利用を前提にしています。誰が何を入力したか、どんな出力を使ったかを会社として確認する手段がありません。

「生成AIを業務利用してよい範囲」を社内ルールで決めていても、無料プランのまま全員に使わせると、ルール遵守の確認ができません。コンプライアンス上のリスクというより、運用管理の問題として、ある程度人数が増えたら有料の管理機能が必要になります。

有料化を検討する目安

次のどれかに当てはまったら、無料プランのままで続けるのは難しくなっています。

  • AIを使う人数が5人を超えた
  • 顧客名・取引先情報・社員情報をAIに入力することがある
  • 週に数回ではなく、毎日の業務フローの中にAIが入っている
  • 出力制限に当たって業務が止まったことがある

有料化の費用感として、ChatGPT Plusは月額20ドル(個人向け)、ChatGPT Teamは月額25ドル前後(1ユーザー、年払い時)です。従業員10人の会社でTeamプランを5ユーザー契約した場合、月額1万8,000〜2万円程度になります(為替レートにより変動します)。この金額と、業務時間の削減効果を比べて判断してください。

なお、生成AIの社内導入を本格的に進める場合、研修費用や補助制度の活用も選択肢に入ってきます。生成AI研修の費用と助成金:中小企業が今年度使える制度と相場を整理に費用の目安をまとめています。

今の段階で無料プランを使うなら

無料プランで試すこと自体は問題ありません。次の2点だけ先に対処してから使い始めてください。

  1. 学習設定をオフにする:ChatGPTなら「設定 → データコントロール」で確認する。入力してよい情報・してはいけない情報を社内で一言決めておく
  2. 共有アカウントは使わない:1つのアカウントを複数人で使うと、会話履歴が混在して管理できなくなります。各自が個人アカウントを作るか、有料のTeamプランに移行するかのどちらかにしてください

無料プランは「AIが自社の業務に合うか確かめる期間」に使うものと位置づけて、合うと分かった時点で有料化に移行するのが現実的な順番です。

導入範囲の広げ方や社内ルールの作り方で迷う場合は、AI導入の相談窓口に問い合わせると整理しやすくなります。

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