先に数字を出します
ChatGPT Businessの年払いプランは、1ユーザーあたり月およそ20ドルです(ドル建て)。月払いは25ドルなので、年払いで約2割安くなります。従業員20人に全員分を付与すると、年払いで月400ドル、月払いなら月500ドルかかる計算です。50人規模なら、年払いで月1,000ドル、月払いで月1,250ドルになります。
ただしドル建てのため、円での支払額は為替レートによって変わります。この記事では参考として1ドル=150円で試算しますが、契約時点のレートで確認してください。
3サービスの料金を人数別に並べる
現時点でよく比較対象になるのは、ChatGPT Business(OpenAI)、Microsoft 365 Copilot、Google WorkspaceのGeminiの3つです。
ChatGPT Businessは2025年8月29日に「Team」から改称されたサービスです。生成AIのチャット・文書作成・コード補助などが主な用途で、2席から契約できます。組織が入力したデータはモデルの学習に使われないため、社内情報を扱う場面でも利用しやすい設計になっています。
Microsoft 365 Copilotは、WordやExcel、Teamsなどのアプリ内でAIを使える追加オプションです。月額4,497円(税抜・年契約)ですが、Microsoft 365本体のライセンスとは別に発生する費用である点に注意が必要です。Officeをまだ契約していない場合、本体の費用も別途かかります。
Google WorkspaceのGeminiは少し性格が異なります。2025年3月17日から、Business Standardプラン(1人あたり月額1,600円)以上ではGeminiが標準で使えるようになりました。AIのために追加料金は発生しません。
従業員20人の年間費用(目安)
| サービス | 月額/人 | 月額合計(20人) | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT Business(年払い) | 約20ドル→約3,000円 | 約60,000円 | 約720,000円 |
| ChatGPT Business(月払い) | 25ドル→約3,750円 | 約75,000円 | 約900,000円 |
| Microsoft 365 Copilot(年契約) | 4,497円(税抜) | 89,940円 | 1,079,280円 |
| Google Workspace Business Standard | 1,600円 | 32,000円 | 384,000円 |
従業員50人の年間費用(目安)
| サービス | 月額合計(50人) | 年間合計 |
|---|---|---|
| ChatGPT Business(年払い) | 約150,000円 | 約1,800,000円 |
| ChatGPT Business(月払い) | 約187,500円 | 約2,250,000円 |
| Microsoft 365 Copilot(年契約) | 224,850円 | 2,698,200円 |
| Google Workspace Business Standard | 80,000円 | 960,000円 |
※ChatGPT Businessは1ドル=150円で試算。Copilotは税抜き価格で計算しています。
「全員に付与する」必要はない
従業員30人の製造業で総務・経理担当が2人いる会社を想定してみます。この2人が議事録の要約、メール文案の作成、取引先への報告書ドラフトに毎日AIを使うなら、有料プランを2席だけ契約することで費用を絞れます。ChatGPT Businessなら月払いで50ドル(約7,500円)、年払いなら月40ドル程度です。
「社内全員に導入する」コスト計算が先走りがちですが、最初に使う部署・用途を絞って試験的に始める進め方が実態に合っています。試算は「何人に付与するか」を決めてから行うと数字が整理されます。
無料プランを業務で使い続けるリスク
ChatGPT無料プランは個人利用向けです。組織として業務に使う場合、次の点が問題になります。
- 入力データがモデルの学習に使われる可能性がある(設定次第)
- 管理者が従業員の利用状況を把握できない
- アカウントは個人のメールアドレスに紐づくため、退職時の対応が難しくなる
有料の法人プランでは、管理コンソールからユーザーの追加・削除ができ、利用ログも確認できます。情報管理の観点から見ると、費用よりも先にこの点を整理しておく必要があります。
なお、社内で生成AIを本格導入する前に研修コストも試算しておくと、役員会に出す数字が揃います。自社に合う研修の形式や費用については、生成AI研修の費用と助成金:中小企業が今年度使える制度と相場を整理に整理しています。
どのサービスを選ぶか、判断の分かれ目
費用だけで見ると、Google Workspace Business Standardが最も安くなるケースが多いです。すでにGoogleのメールやカレンダーを使っている会社なら、そのまま追加費用なしでGeminiを使い始めるのが出発点として合理的です。
Microsoft 365 CopilotはWordやExcelの中で動くため、Officeの操作に慣れている担当者が文書作成を効率化したい場合に合っています。ただし本体ライセンスとの合算で費用が大きくなる点は注意が必要です。
ChatGPT Businessは、特定のソフトに縛られずチャット形式でAIを使いたい場合の選択肢です。外部コンサルやフリーランスと共同作業する機会が多く、ツールを揃えにくい環境の会社に向いています。
どのサービスにすべきか判断がつかない場合や、役員会に費用と効果の試算を持ち込む際に整理が必要な場合は、AI導入の支援を行っている専門家や中小企業診断士への相談も一つの選択肢です。当メディアでも相談の問い合わせを受け付けています。
料金情報は2026年8月30日に確認したものです。最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。


